この国では、4年に一度、王主催の武術大会が開かれる。 ルールは、殺さないこと。それのみ。商品は誰もが喉から手が出るほどに欲するもの。 腕に自慢のあるものたちは、大会に参加しようと遠国よりも訪れる。
何が起こるかなど、予想もせずに。。。。。
さぁ、宴が始まる。
4年に一度、この国では武術大会が開催される。
それには、世界中から参加者が集まってくる。
魔術・武術なんでもありのこの大会に訪れる多くの出場者たちは、優勝商品が目的。
なんと、その優勝商品。
『特定の人間一人を、一日自由にすることができる権利』
その相手を一生涯縛るようなことはできないが、それを望むものは多くいる。
それを望まなくとも、それ相応のものを与えられるとあって多くの者たちが集まってくる。
提供は、悪名高き 占い師フェール・ゼアウ。
その効果は絶大だ。
大会当日、4年に一度この日のためだけに使われる会場―コロッセウム
円形のその建造物には、参加者のほか観戦者たちが集まっている。
千にも及ぶ参加者たちを見下ろした観客たちの中、ジュースやビールなどといったものが馬鹿売れしていた。
「・・やだな~・・・あーあそこにいるの見たことあるぞ・・・確か伝説のドラゴンスレイヤー。あっちは、・・・・・」
フォール・B・グエス伯爵が憂鬱になりながらも、人ごみの参加者たちの中に、噂に名を轟かせる猛者たちを見つけていた。しかも、参加者の中、手には一本の剣をもって。
「あれ?伯爵じゃあ、ありませんか。」
ポン と肩を叩かれ、伯爵は振りむいた。
すると、そこにはメイド長ベル・シュレッドとアストラル・S・ソルト子爵が、メイド長は一本の細剣をもち(まぁいつも通り、大量の武器を何処かしらに隠し持っているだろうが・・・)、子爵は、細身の身体に似合わない大剣を手にしている。
「なななななななな!!!」
「そんなに驚かないで下さい。まぁ、私も子爵に声を掛けられたときは驚きましたけど。」
まさか出場するだなんて・・・ とジロッと子爵を横目で見るメイド長の鷹のような目は語っている。
「少し・・暇でね。」
「―――・・へぇ・・・」
「で、伯爵は何故?」
「あぁ、フェールに強制されて・・・・。参加者の中に、B・D・Eがいると思うけど?」
三人が伯爵の言葉に周囲を見回すと、人ごみの中に人型をとった三人(?)の姿があった。
「あの人たちは何が目的なんです?」
「Bは“呪われた悪魔の名器”、Dは高枝切りバサミ、Eは“ルビーの女王様”っていうペンダント。優勝したら、フェールが買ってくれるらしい。盛り上げ要員だな、ようは。」
「・・・・・ふっ。相手として不足ありませんね。
では、お2人とも。戦える事を楽しみにしています。勝ち残ってくださいね。」
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