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200612270059
CATEGORY[気まぐれな貴族シリーズ]

 

 私の名は、スノー・フィールド。世界の覇権を握っているといっても過言ではない パウリー・F・ポウンド公爵夫人の屋敷に長年仕えてきたメイド長補佐です。

 

                     気まぐれな貴族たちの紹介短編文。。。


本来、そういった役職というのは存在しないものなのですが、当家のメイド長ベル・シュレッドは元来、メイド兼護衛の為に雇われた方。普段はメイドの仕事を完璧にやり遂げられる方なのですが、以前の仕事がエクセル帝国軍軍人、16歳にして大元帥に着任され、すぐに当家へとこられた方。色々と敵の多い主人のため、武器を手にする事が大半です。

ですので、私の仕事は、忙しいメイド長のため仕事を代行する事になります。

メイドたちへの指示、とあるメイドや皿洗い(実は、ある組織のスパイなのですが、奥様の指示のもと泳がせている)の監視をしています。

 

今日は、奥様とメイド長のお供で、私はグエス伯爵の御屋敷に来ております。

フォール・B・グエス伯爵は、外見はとても整われた方なのですが、少し趣味に難がお在りで、そして数百年に一度という不幸体質の持ち主。

人妻と巨乳をこよなく愛すると公言なさっている方で、根気を逃されておりますし、何の因果か、裏組織の重要機密を本当の偶然で知ってしまう事、週に一回。その度に占い師様に助けられているのです。

占い師様というのは、伯爵家に仕えていらっしゃるフェール・ゼアウ様のこと。

フェール様は、遠くにまで名を知らしめる方で、近隣では“地獄の大公”“黙示録の申し子”“暗黒の支配者”と噂され、“建国(約500年まえ)より生きている”とさえ言われております。

一度、ご本人にお尋ねしたところ、冗談だと、言われました。

まぁ、そういうことにしておきましょう。

そうそう、伯爵邸で無視しておけないのは、占い師様の骸骨さんたちです。

現在は5人いらっしゃるこの骸骨さんたちは、伯爵様5歳の砌に地方領に隠居なされ伯爵様のことを先代御夫妻に頼まれた占い師様の代わりに育てられた方々。

伯爵の御屋敷は、そんな理由で化物屋敷と呼ばれ、近隣の家々では「悪い子は伯爵邸に連れて行く」と躾の脅し文句に使われていらっしゃいます。

 

コンコン と御屋敷の玄関と叩くと、ギーッという(場所が場所なだけに)効果的な音と共に開き、小さな女の子が顔を出されました。

「・・・・いらっしゃいませ・・・どうぞ中へお入り下さい。伯爵様がお待ちです。」

舌足らずの残る声で、私たちを中へと入れたのは、ユリアちゃん。とある一軒で、この御屋敷に通いで雇われる事になったロザリーさんの娘さん。

普通の方なのですが、意外にも無事に働けているようで、ユリアちゃんは奥様の経営なさる学校へ通いながら、お手伝いをしている、とても良い子です。(どこかのメイドに見習わせたいものです。)

 

広間に通されると、そこにはすでに皆様が寛いでいらっしゃいました。

伯爵と占い師様、そして アストラル・S・ソルト子爵様がソファーに腰掛け、その周りでは4人の骸骨さんたちが人型をとりたっておられます。

子爵様は、私のような極一般人から見ると、占い師様に並ぶ程の不思議な方です。

気配を読む事に関してはプロ中のプロであるメイド長に気づかれる事なく、やってこられ寛いでいらっしゃることがあれば、メイド長の銃撃をいとも容易くよけてしまわれることもある。

伯爵様のご親友という事ですが、それにも謎を感じずに入られない今日この頃です。

 

Aさんが奥様たちに紅茶を注いだティーカップを渡され、私にもくださいました。

本当にしっかりした少年だと、知らぬ人は思われるでしょうが、私は知っております。

骸骨さんの中でも一番の古株で、なんでも300年前 白雪狼に殺されたところを拾われたそうです。占い師様を叱り付けたり等出来る方で、鞭を持たせたならばS級の腕前だとお聞きしました。

皆さんが紅茶を味わっている中、伯爵様がバイオリンをかなで始めました。

とても素晴らしい音色に、奥様やメイド長が「意外な」と驚いておられます。

御2人はまだお知りでないようですが、私は偶然にも知ってしまいました。

実はこの音色、つい先程から姿の見えなくなったBさんが弾いておられるのです。

Bさんは、Aさんの次に拾われた方で、生前はバイオリン奏者として活躍なされていたらしく、この御屋敷では専属の奏者として伯爵の特技である“バイオリンを弾く真似”を助けているのです。

その中、Cさんがお茶請けとしてケーキをもってきた。

Cさんの作られるものは、とっても美味しく、メイド長、この方もアップルパイのファンなのです。

見た目、パティシエには見えない方なのですが、つくられるお菓子はとても繊細で、王宮のパティシエにも楽に勝ててしまうほどのものです。

生前は、超有名店で働いてらしたそうですが、嫉妬なされたライバルの方に殺されたのだそうです。

部屋の隅で花瓶に生けられた花々を手入れなされているのはDさん。

Dさんは、奥様に花束をお渡しになられました。

すこし涙目になっていらっしゃるのは、Dさんが庭などで育てている植物たちを溺愛なさっているからでしょう。なんでも、60年ほど前に隣国を恐怖のどん底に落としていた凶悪犯“切り裂きジャック”らしいのですが、今は植物を愛する只の好青年となっています。

今、この場にはおられませんが、骸骨さんたちの紅一点、Eさん。現在彼女は、占い師様が必要とされるものを仕入れる為に、世界中を回っておられるそうですが、元は40年ほど前に西の海で“海の女獅子”と呼ばれていた女海賊なのだそうです。女の私から見てもとてもグラマラスで、生前は人妻。何故、伯爵が彼女だけは口説かないといっておられるのか不思議です。

 

今日のお茶会も、いつも通り和やかに進みました。

それにしても、どうして私はこんなにも不思議で個性的な方々の中で無事に働き続ける事ができるのか・・・不思議な事です。

 

(伯)「一番の不思議って、スノーさんだよな~」

(A)「そうですね~。マスターだろうとメイド長様だろうと、ズバッと言ってしまうなんて、スノー様くらいですしね~」

(B)「(コクコク)」

(C)「まぁ、そうでなきゃ、此処で生き残るなんて無理やけどね。」

(D)「Cの言うとおり。」

(E)「そうだわ!!彼女が死んだら、私たちの仲間にしてくれるよう、マスターに頼みましょうよ!!」

(伯)「ハァ?」

(E)「だって、丁度Fだし~」

(伯)「えっ!!お前らの名前って・・・!!!」

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