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200612270132
CATEGORY[気まぐれな貴族シリーズ]

 ある日の 伯爵家での出来事。。。


 

 ドヒャヒャヒャヒャケヒョヒョヒョヒョ

 

夫人が玄関の呼び鈴を鳴らすと、有り得ない音が鳴り響いた。

しかし、そんな事を気にするような夫人ではない。

今日は、メイド長もスノーも所用で出掛けている為、夫人は一人で伯爵邸へと遊びに来ていた。まぁ、暇だったのである。

 3回ほど奇怪な音を鳴らした後、ドタドタという走る音と共に、人型をとったA君が飛び出してきた。

「ど・・どうしたのかしら、A君」

いつもならば冷静な物腰のAが、ここまで動揺している様子に、夫人は目を丸くした。

「ふ・・夫人様・・・・」

涙目に見上げてくるAに、夫人は顔の筋肉に力を加え、引き締めた。

「ど・・・どうぞお上がり下さい・・・・」

夫人は首を傾げながらも、Aの後に続き広間へと入っていった。

 

 Aに導かれた広間で、夫人は口元を扇で隠し、顔の神経に意識を集中させた。

そこにあった光景とは・・・・

「あっ、ひとづまだぁ~」

「・・・・・・・・・・」

「何やの、このお姉はん」

「―――― 殺す ――――」

と、広間の中央の床に座り、夫人を見上げてくる4人の少年たち。

一人、鋏を両手に持ち殺気立っている子供もいるが、それは珍しく帰ってきている人型のEによって押さえつけられている。

「もう、あの方は易々と殺せるような相手じゃないわよぉ~。止めときなさいな、D。」

「D!!?」

Eが押さえつけている子供にいった言葉に、夫人は目を丸め驚いた。

「そっそ・・その子がD・・君・・なの・・・?」

じゃぁ・・他の子達はまさか・・・  夫人は息を呑んだ。

「そうなんです。マスターが悪戯で皆に薬を飲ませてしまって・・・。

マスターには今、中和剤を作ってもらっています。」

「そうなの・・・・それもまた残念な・・・」

夫人の小さな本音の呟きは、Aには届かなかった。

「え?」

「いえ、なんでもないのよ?」

「・・・・・・・・全員、記憶まで退行してしまっていて、大変なんです。

だから、すみません。お構いも出来なくて・・・・・」

「いいのよ。それよりも、私にできる事があったら何でもいって頂戴ね」

占い師の部屋

 

占い師は、怪しげな色の液体の入った試験管を次々に混ぜ、かき混ぜていく。

何本かの試験管が、自然と宙に浮き、自分たちから液体を混ぜていくのは、このさい無視だ。

「また、面白い事をしたようね、占い師。」

「おや、お気に召しませんでしたか、夫人様。」

夫人に返事をしながらも、占い師は作業を進めていく。

その色は、青だったり、ライトグリーンだったり、紫だったり・・・・

「薬なんて作らなくていいわ。あの子たち(A君を含む)をウチにちょうだい。」

夫人の本気の言葉に、さすがの占い師も振り返り呆気に取られている。

「夫人様・・・・駄目ですよ。そんなことしたら、Aに怒られますし、ウチはメイドを雇う事が出来ないんですから(というか、誰も続かない)。あきらめてください。」

メイドが失踪する事約10人。邸内で行方不明になる事37人。庭の木々の栄養になる者9人。

現在の只一人―の生きたメイドであるロザリーが希少な存在なのだ。

 

ドロドロとした紫色の薬が出来上がり、夫人は渋りまくったが皆に飲ませる事になった。

 

「イヤー、これ絶対に苦いよ~」

B・C・Dは、占い師とA・Eの連結であっさりと飲ませたが(何故かと言うと、占い師が目の前に立つと三人とも身動きが取れなくなったため)、伯爵は見た目的に怪しい液体を怪しみ、口を硬く閉ざし、横を向いてしまう。

「苦くなんか在りません。さっさと呑みなさい。」

「いや!フェルの苦くないは、めちゃめちゃに苦いの!!」

「呑みなさい。」

首を左右に振り嫌がる伯爵であったが、占い師がニッコリと微笑めば、夫人の横に立つAのもとへと走りより涙目で抱きついた。

「A~。フェルがイジメルよ~」

「これも貴方のためなんです。すみません。」

Aはグイッと伯爵の頭を押さえつけると、鼻を摘み、息をする為に開かれた口に試験管の口をねじり込み、液体を流し込んだ。

このツーショットに、夫人はグラッときたが、Aの手前、自制を利かせた。

 

後日、

「なぁ夫人。あの日って何があったんです?俺記憶なくて~」

誰も教えてくれないんですよね~ という伯爵の前で悶える夫人がいたという。

 

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