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200612270146
CATEGORY[気まぐれな貴族シリーズ]

 

 武術大会での新キャラ その後。



 

バルさんの悩み

 

 ポウンド公爵家メイド長ベル・シュレッドと契約を結んだ“魔の森”の長であった九尾の狐 メイド長命名―バルさん。

森では、生まれながらにして巨大な力を有し生態系の頂点を極めていたが、ある日突然翼の生えた蛇が森に住み始めるし、突然たくさんの人間たちが森に現れたりと、彼の人生は一変してしまった。

森の長として、彼は森に出現した人間たちを駆逐しようとした。

そして、一人の人間を見つけ彼は襲い掛かった。

 

まず、それが間違えだったのだ。

 

彼が襲い掛かったのは、メイド服に剣を一本だけ手にした女だった。

彼は、簡単だと、頭から噛み砕いてしまえばいいだけだと思った。

しかし・・・・・

女の武器は剣だけではなかった。

彼の攻撃で剣が折れると、女は何処からともなく銃器を取り出し、手榴弾を取り出し、彼はあっという間に地に倒されていた。

 

女は、懐から真紅の水晶球を取り出し、彼の前に差し出した。

 

彼は、それが何なのかを本能で知っていた。

魔のものを拘束し、使役する力をもつものだと。

 

女は言った。

「これで、私との契約は成立した。逆らったら、どうなるか分かっているでしょう。」

彼は、生まれて初めて恐怖を感じた。

 

そうして、彼は、女―ベル・シュレッドの使い魔となった。

 

 

 

武術大会 後日

 

「バルさん!ちょっと来なさい!」

彼―バルさんは、公爵家の屋敷内では自由に過ごすことが許されていた。

時折、無謀な侵入者などを食べるという仕事をしているが、バルさんの一日は広い庭での日向ぼっこだった。

 

ある日、テラスで寛いでいる夫人の傍らに控えていたメイド長に呼ばれた。

バルさんが呼ばれるままに歩み寄っていくと、夫人がジーッとバルさんを見ている。

いや、バルさんの九本の尻尾を見ている。

バルさんの胸中をイヤーな予感が走る。

 

「ねぇ、ベル。尻尾一つくらい無くても支障はないわよね~」

フフフ と夫人の手がバルさんの一本の尻尾をさする。

「そうですね。奥様のおっしゃるとおりです。」

ニッコリと頷くメイド長の手には、一本の鉈が・・・・・。

そして、バルさんにジリジリとにじり寄ってくる。

 

その日、夫人宅の周辺に狐の鳴き声が響き渡ったという。

 

後日

「尻尾の一本や二本、無くても変わりないと思うけど・・・・」

「変わりますよ、夫人。狐は、尻尾に妖力を蓄えるんです。切っちゃたら弱くなります。」

バルさんは、タイミングよく遊びに来た占い師によって、事なきを得た。

ただしく言うのなら、Aの涙目によって・・・・・

 

けれど、彼は感じている。

自分の尻尾に向けられた狩人の目を・・・・・・・

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