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200612270127
CATEGORY[気まぐれな貴族シリーズ]

 

 三大怪女 その2。                                                           魔女の登場。

『必要ありませんよ』

「ヒッ!!」

部屋に女の声が響き、男が悲鳴を上げた。


男を見ると、いつの間に現れたのだろう。

黒のマントに頭から全身を包み、黒のベールで口元を隠した占い師が、手を抱えうずくまった男に圧し掛かり、その顎をツゥーとなで上げている。

「“魔女”!!!」

「おや、酷いですね~。私は一介の占い師。“魔女”だなんて、ねぇ~」

男が悲痛な声を上げ、震え上がるのを、面白そうに占い師は見下ろしている。

「耳の早いこと」

「一体何処から・・・いや・・考えては負け・・・」

夫人もメイド長も、呆れながらも慣れがある。

「ごきげんよう、夫人様。メイド長。

こんな面白い屋敷を視ていないなんて、人生を一回分損した気分ですもの。よって、水晶が自動的に映し出してくれるんです。」

「貴女の人生一回分?・・・普通の人間には、何回分になるのかしら・・・・」

「あら、あら?」

ホホホホホホホッ

クフフフフフフッ

部屋に、2人の笑い声が響きあう。

その後ろで、メイド長の溜息の音。

そして、男の悲痛な悲鳴が・・・・・

「ゴホン。それで占い師。話は聞いていたのでしょう。受けてくれますか?」

一応、メイド長の問いかけで笑いあいが終わりを告げた。

「まぁ、確かに材料が欲しかったところです。お受けしましょう。

まずは、コレを貰っていきますね~ クフフ」

 パチン

占い師が指を鳴らす。

「A、B 頼みますね~」

占い師の言葉と共に、男の座り込んだ周辺の床が水面のように揺れ、4本の白い骨の手がはえ、男の身体を掴み、床の中に引きずり込んでいく。

「ひ・・ひぃ・・助け・・・・・」

「大丈夫。怖くないですよ~。クフフフ」

男が完全に床の中へと消えると、占い師もまた、床の中へと消えていった。

「では、また後日。クフフ 結果はお楽しみに~」

そうして、占い師は去っていった。

 

「奥様、お茶をお入れしましょうか?」

2人は何事もなかったように、談話室へと移ると、夫人はソファーに腰掛け、寛ぎだした。

「そうね。貰おうかしら。」

「今日は、オレンジペコにしましょう。先日、よい葉が手に入ったんです。」

「まぁ、楽しみね。」

メイド長が一礼して、部屋を下がろうとすると・・・

「うん。確かに美味しいね。でも、ボクはやっぱりアールグレイかな。」

2人はバッと振り返った。すると、そこにはソファーに腰掛け、ティーカップを傾けている一人の男― アストラル・S・ソルト子爵の姿。

この子爵、気配を消す事に関しては、誰にも負けない ミステリアスな存在。

さすがの2人も驚きを隠せなかった。

そして、彼はメイド長にとって天敵であった。

メイド長からは剣呑な気配が滲み出る。

「相変わらずね、子爵。」

「うん。お邪魔しているよ、夫人。君も飲むかい?」

寛ぎ、夫人に対してもう一つのカップを差し出し誘う子爵。

だが、彼に向けられたのは、夫人の返事ではなく、メイド長の両手に抱えられた大型のマシンガンの銃口。

「かってに飲むなというに~!!!」

パララララ

ドタタタタ

躊躇なく放たれた銃撃

しかし、残されているものは穴だらけのソファーと床と壁。

いつも通り、子爵の姿は最早ない。

「今日こそ逃すか~!!!」

完全武装したメイド長は、消えた子爵を追い、部屋を退出していった。

 

  ハァ  

残された夫人の口から、溜息が・・・・

「修理費・・また大変ね。

あぁ、そうだわ。占い師が生贄一体で元通りとか言っていたわね・・・・・・」

 

 

コレより数日後、多くの人間が大量に死んだり、行方不明になった。

なんの共通点もないまま・・・・・・・

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