メイドのロザリーさんの娘さん ユリアちゃんが話の中心になります、一応。
自己紹介で一瞬でただけなので、覚えている人はいないはず・・・・
キャラがわからない・・・・・・・
ある春の昼過ぎのこと。
グエス伯爵家の屋敷の厨房では、5人の使用人たちが集まり午後の休憩をとっていた。
まだ幼さをのこしている執事服姿の少年が紅茶やコーヒーをカップに注ぎ
背の高い男が丸い机にそれらをセットしていく。
そして、コック姿の背の低い30代後半くらいであろう男が焼きたてのパイを切りわけ、テーブルへと運び、背の高い男に渡していく。
テーブルでは5つの椅子が用意され、足を組んだ妙齢の女と顔に幾つかの傷跡を残す青年が座り会話をしていた。
彼らは、伯爵家の使用人であり、フェールの使い魔。
死者を蘇らせ契約を結んだ彼らに名はなく、生前の名を参考にし、上からA・B・C・D・E と呼ばれている。
準備も整い、5人がテーブルを囲んで席につくと、穏やかな午後の茶会が始まった。
「あ~、E。今度、マスターが『久しぶりに“トトカマ”食べたてみたいですね~、前に食べたのは確か三百・・・コホン。たしか、まだあの国は健在だったはず・・・』っていっとたで仕入れといてくれんか?」
「いいわよ~。東の島国ね、C。近い内にいってくるわ。他は何かある?」
「・・・・ヤエコ、もう一本・・・」
「八重桜一本引っこ抜いてくればいいのね。」
「あまり、桜の木を増やしすぎないでくださいね、D。毛虫が大量に発生でもしたら、フォール様が泣きますから。」
「そういえば、坊ちゃんって息抜きに帰ってこないのかしら?マスターに頼んだら、喜んで空間繋ぐだろうに。」
「あちらも急がしそうやで、しばらくは無理やろうな。」
「じゃあ、しばらくはここも静かなのね~。静かなの、苦手なのよねぇ~」
コンコンッ
ドアが小さく叩かれ、5人の視線が集まる中、一人の少女が入ってきた。
「あれ?どうしたんですか~、ユリアさん?」
見た目の年が最も近いAが問いかける。
ユリアは、この屋敷唯一の生きたメイドであるロザリーの一人娘。10歳ながらもしっかりした性格で、屋敷でも色々なお手伝いをしたりと、すっかりAたちとは仲良しになっていた。
「あ・・あの・・・皆さんに聞きたいことがあって・・・・」
「ん~?宿題かぁ?」
「ううん、あのね・・・・・」
言い澱み、目を床に向けてしまったユリアだったが、しばらくして意を決し、顔をAたちに向けた。
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