久しぶりに書きました。
キャラの話し方をとんと忘れているので、おかしいところも多々。
リハビリ小説です。変なところあっても許してください(^_^;)
暗闇が空を占めることが少なくなり、温かな日差しに眠気を誘われる春の日。
雨後のとある植物のように、彼らも眠りから覚め、そして黄昏を背に歩み寄る。
ヘンタイにはご注意。~ヘンタイもご注意。~
その屋敷は、王都の西区の外れに建国から立ち続けている。
建国においての功績をもって爵位を賜った古参の貴族の本宅である屋敷は、春になれば、その広大な庭を鮮やかな色で彩り、春の始まりの今は、桜色が我が物顔で敷地のありとあらゆるところを占め、その花びらを風に飛ばしている。
王都の外れとはいえ、家々が立ち並び、人々の往来も多い地区である。
本来ならば、立ち止まり桜色に染まった庭をほのぼのと見たり、広大な敷地の端に入り込み、弁当の蓋を開けているような人もいたりすることもあるだろう。けれど、その屋敷ではそんな光景は夢のまた夢。
立ち止まる人はおらず、皆が皆、屋敷の前を足早に過ぎていっている。
男も女も、大人も子供も老人も足音を極力立てぬよう、けれどスピードを絶対に落とさないように過ぎ去っていく。
屋敷には、不気味すぎるほどの静けさが保たれていた。
それもそのはずだ。
この屋敷に住む者の名は、グエス伯爵。
その名を知らぬ者は、赤子を抜いてはこの国にも、他国にもいない。
皇国の建国に関わり、それ以前にも幾つかの大国の建国や重大な歴史の基点に干渉したとされる、恐ろしくも偉大なる大魔女-現在は占い師と名乗っているため、魔女と呼べば「抹殺リスト 簡単には死なせちゃわないわ(フフフッ❤)編」に名を連ねることになる。-が、その血が続くまで守り、助けると契約した後にも先にも只唯一の存在だからだ。
数ある伝説に名を記し、現在も数多くの気紛れという名の伝説を紡ぎ上げている魔女 フェール・ゼアウ の主人として、グエス伯爵家の名は、国内外とわず知れ渡っている。
そんな魔女が住む屋敷の前で騒ぐような、ましてや屋敷の敷地内に侵入するような「命いりません。好きに使ってください」なんていう行為をするような馬鹿がいない。
ましてや、魔女を唯一止めることの出来る(一部事実と異なるが)主人であり伯爵家の現当主 フォール・B・グエス伯爵が、最低5年という任期のある西の隣国フィシュミア王国外交親善大使という役目につき、隣国に旅立っている今、危険度は確実に5倍になっていることは必死。
魔女が先代夫婦にかわり幼い頃から養育してきた現当主を大層(方向性はまちがってはいるが)可愛がっていることは、何気に知れていた。だからこそ、現当主という常識ある(?)止め役のいない今、人々は慎重には慎重を重ね、生活しているのだった。
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