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200701190046
CATEGORY[神と精霊と人。。。]

前のときに乗せていたのに、全データが消えていた。ようやく復活させれました・・・・・。                   設定とかも、ちゃんと書き直して復活させたい・・・・・・(汗)

 

 



 

ディースノム帝国 帝国軍東方司令室での日常的風景をここに記す。

東方司令室は、帝国最大の敵ともいえ何度も戦争の起きている神聖ヘルムルス公国と隣接する帝国の東方を守る関所であり東方の軍の中心。

いつも緊張感にあふれている場所だった。(遠い目・・・・)

 

 

東方司令室第8部隊所属・ラムセス・リューイ・ハデュミス中尉は、東方指令本部ではとても重宝される存在だ。

若干18歳、入軍し東方司令室に配属され二年目ではあるものの、腕も立ち数々の功績をあげてきた彼は驚異の速さで中尉へと出世した。

そんな彼だが、周囲に妬まれることなく、好意的に見られる上、重宝されている理由、それは彼の上司および第8部隊の隊員たちにある。

 

数々の軍功をあげ、幾度の神聖ヘルムルス公国との戦いでも活躍し帝国を勝利に導いてきた中心であった第8部隊の欠点、それは書類処理能力の欠如だった。

活躍を繰り返す第8部隊には、必然的に書類が他の隊より多くなる。

けれど、それらが処理されていくのは稀だった。

部隊室には書類の山。それは、いつものこと。

少しでも物音を立てようものなら、書類の山は崩れ去り、その様子はさながら蟻地獄に沈んでいく虫のようだったと、それを目撃した軍曹は後に語っている。

第8部隊が書類をためる。

それは連鎖反応で東方司令室全体の書類の停滞を引き起こす。

第8部隊の書類処理能力の無さには東方司令室全体が悩んでいた。

 

そんな悩みも最近は薄れた。

それこそがラムセス・リューイ・ハデュミス中尉の存在だった。

彼は配属されて数日で、書類の腐海と化した隊室を何処に出しても恥ずかしくない程に整頓し、溜まりに溜まっていた書類たちを出すべき場所に旅立たせたのだった。

それには、東方司令室全体が喜んだ。大いに喜んだ。

そして、第8部隊の書類処理はハデュミス中尉に任された。

 

そんなこんなで、今日も黙々と書類処理をするラムセスの姿が、第8部隊室に見られた。

隊室でも一際大きな机を与えられたのは、ラムセスの存在に喜んだ事務室室長からの贈り物だ(ラムセスの存在に、第8部隊を天敵と見ていた事務室は狂喜乱舞したそうだ。)

そんな中・・・・

「中尉~先日の鉄道爆破事件の報告書は~」

「資料室A-3の棚の四段目右端」

「ハデュー、あの書・・・」

「四日前に提出済み」

「ハデュミス中尉、副司令官がチェスに付き合えと」

「お断りの返事をしておいてください。」

「ハデュミス、中佐がお呼び・・・」

「待ってもらってください。」

「ラームちゃん、俺の分の始末書お願いね~」

「死んでください。」

「「「「「「「ハデュミス」」中尉」」ラムセス」」」

 

     ビシッ

 

次第に不穏な空気が部屋の中に充満していった。

そして遂に、ラムセスの後方、窓ガラスにヒビが走った。

「・・・・いい加減に・・・・」

ラムセスが机に手を叩きつけ、椅子から荒々しく無造作に立ち上がった。

そして机の引き出しを少し引くと、中から何かを取り出し、その腕を横に振りぬいた。

  トス トス トス トス ・・・・・・・・

小気味よい音とともに、部屋に入ってきた様々な階級の軍人たちが入り口近くの壁に、ナイフで服を縫い付けられた。

ナイフで縫い付けられ、僅かにしか動くことのできない彼らに、ラムセスはナイフを再び構える。

「ヒッ」

「こら、ラムセス!俺は一応上司だぞ!!?」

「やめようね~ラム。君の腕前でやったら、僕ら死んじゃうよ~」

それぞれの反応。

彼らは一応に、青褪めたり、ラムセスを説得しようと頑張っている。

が、ラムセスは何の躊躇いも無く、その手に構えたナイフを投げた。

「ヒィ~ッ」

「クッ」

彼らの急所を確実に狙い飛んでくるナイフ。

けれど、それが彼らに届くことは無かった。

「“風よ”」

その言葉に、青い球体が動けない彼らの前に飛び出ると投げつけられたナイフを空中を地面に叩き落した。

誰かが、青い球体を媒介に使い、風の魔法を使ったようだ。

「チッ」ラムセスは小さく舌打ちをした。

自分たちを壁に縫い付けていたナイフを抜き取った男たちが、最上級に不機嫌なラムセスを怯えた目で見ている。

「・・・人が、誰かさんたちが放り出した書類やら報告書を片付けているというのに・・・あんたたちは・・・・・!」

「おっ・・・落ち着け、なっラムセス」

説得も空しく、ラムセスはゆっくりと一本の漆黒の鞘に納められた短刀を持ち上げた。

その短刀は、軍人がもつには優美過ぎる装飾の飾り刀。

戦闘向きの刀を見慣れている軍人には何の恐怖も感じないものだったが、彼らはラムセスのもつその短刀の本来の使用方法をしっかりと理解していた。

 

「呪い、在れ」

 

にっこりと、笑みを浮かべ見た目には優しさに満ち溢れた、けれど背後に湧き出る黒いオーラがそれを裏切ったラムセスの口調は、今となっては不気味なほどの落ち着きに満ちていた。

 

「「「「「イヤッーーーーーーー!!!!!!!!」」」」」

 

後日、青褪め僅かな物音にも怯えるものたちが多数目撃された。

そのメンバーの中には、第8部隊のもの全員は当たり前、副司令官であるローレム・アルティス中将の姿もあった・・・・。

 

 

第8部隊書類処理係り ラムセス・リューイ・ハデュミス中尉

漆黒の短刀を媒介とした“死の魔法”の使い手・・・・・

 

彼を本気で怒らせてはならない。

これは、この後にできる第8部隊絶対の掟。

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